【漢方薬局】患者さんの心身をトータルでみる漢方薬剤師。
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更新日:2月13日
薬学部卒業後の進路
山口 りりこさん
株式会社kampo lab
代表取締役
薬剤師・薬膳師・国際中医師※2

高校の頃から「美」に対する関心が高く、美容専門学校への進学を考えたこともあった山口りりこさん。進路指導の先生の「もっと俯瞰で美容や健康を捉えることができるよう、薬学部で学んでみては」とのアドバイスもあり、進路を変えた。
大学で「体の内側から健康をつくる」ことに興味を持った山口さんは、漢方薬局を中心に化粧品や食品の事業も行っていた会社に就職。そこで漢方の奥深さに触れ、さらに学びを深めようと仕事をしながら中医学※1と薬膳を学び、それぞれの資格を取得した。
漢方相談の枠を超えたアドバイスをすることも
「治療だけでなく健康な体づくりにも役立つ漢方を一般の方にアピールするには、飲食店が適している」との考えから、2015年、飲食店の会社とコラボして薬膳鍋の店を東京・新橋に開業した。
2020年、コロナ禍の影響で薬膳鍋店は閉じたが、併設の漢方薬店は東銀座に移転、翌21年には鍼灸院を併設した。現在、講演やセミナー、化粧品メーカーとのコラボなど多方面に活躍を続ける山口さんだが、活動の軸はあくまで漢方相談だ。紹介制で、初回は2時間ほどかけて食事内容、睡眠の質、悩みなどについて聞いていく。
「漢方の治療は、体のことだけでなく考え方にも及びます。病気を単に悪と捉えるのでなく、病気とともに生きていけるよう心身を改善していく。考え方が変わると、漢方薬の服用をやめた後も健康を維持できます。お客様が大きく変わっていく姿を間近で見られることが、やりがいになっています」
顧客は30~50代の女性が多いが、鍼灸店の併設により男性客も増えた。顧客から手術について相談された際にはセカンドオピニオンを受けることを勧めるなど、漢方相談の枠を越えたアドバイスをすることも。山口さんは言う。
「漢方ですべての問題を解決するのではなく、関連する医療全体で患者さんを支えていく。患者さんをトータルでみることができる漢方薬剤師は、ハブの役割を果たすのに適していると思います」
薬剤師を志す学生に伝えたいことを聞いた。
「学生時代、周囲の多くは“親が薬剤師だから自分も目指している”という人たちでした。学生には、もっと自分のやりたいことや好きなことに真剣に向き合ってほしいと思います。大学は、自分の意思を形にしていくためのトレーニングの場でもあります。勇気を出してアウトプットしていってください」
Profile
山口 りりこさん
株式会社kampo lab
代表取締役
薬剤師・薬膳師・国際中医師※2
2012年薬学部卒業。台湾が好きで、しばしば訪れているという。日常の食生活に医食同源の考え方が根付いている台湾は、健康に対する意識も高い。薬膳師でもある山口さんにとっての台湾への旅は、趣味と実益を兼ねている。
※1 中医学:中国の伝統医学、いわゆる中国漢方。 ※2 国際中医師:中国では中医学を修め、国家試験を合格した者に中医師(医者)という資格が与えられる。国際中医師は、中医師並みの知識を有することを中国政府の外郭団体「世界中医薬学会連合会」が認定する国際資格。医者ではない。