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【病院】病院の患者を多職種、地域の薬剤師と連携して支える。

更新日:2月13日

薬学部卒業後の進路

鈴木 亮平さん

国立病院機構三重中央医療センター (前国立病院機構東名古屋病院)

薬学博士 医療薬学専門薬剤師


 鈴木亮平さんに病院で働くことの利点を尋ねると、「医師とのコミュニケーションがとりやすいので、処方変更の提案がスムーズに行える。検査値や画像データをすぐに確認できるので、薬剤変更後のフォローアップが容易」との答えが返ってきた。  入職して間もない頃は、プレッシャーを感じたこともあったが、経験を積んだ今は、もし問題が生じたとしても別のプランを立て対応できる自信がついた。学会や論文雑誌の情報、医師の知見にも目を配る。普段から他職種とコミュニケーションをとり、薬の副作用などが生じた場合は自分に情報が集まる体制を整えている。

 前の勤務先の東名古屋病院では難病の患者も診療していた。特殊な薬剤は地域の薬局に在庫がない場合も多い。そのため、患者が退院して在宅で療養する際は病院と薬局との連携が不可欠になる。

 情報共有を徹底するため鈴木さんたちが進めてきた取り組みが「施設間情報連絡書の活用」だ。

 「医師なら紹介状、看護師は看護サマリーを用いて情報共有しますが、薬剤師はお薬手帳にシールを貼るだけでした。それだと現在飲んでいる薬が何かはわかるのですが、『なぜ入院したのか』『今飲んでいる薬に本当に意味があるのか』まではわかりません。処方の根拠となる情報を共有するために考えた方法です」

 そして鈴木さんは薬薬連携について次のように話した。

「患者の状態や生活環境に合わせて薬の投与量や服薬回数、剤形などの見直しができるようになってきました。薬物療法は入院中だけでなく退院後も継続します。療養環境が変化しても服薬後のフォローアップを行うことが求められています。切れ目のない薬物療法を行うには、薬剤師同士や多職種との連携強化がますます重要になってくると思います」

 現在の三重中央医療センターでは循環器内科・心臓血管外科病棟及び感染対策チーム(ICT・AST)を担当している。急性期病院では患者さんの状態が日々変化する。その中で薬剤師として患者一人ひとりの状態や副作用をモニタリングし、最適な薬物療法を提供できるように全力を注いでいる。病院薬剤師として専門性を活かした判断力や他職種とのコミュニケーションスキルが求められるが、その分やりがいが大きいのが魅力だという。


 

Profile 鈴木 亮平さん

国立病院機構三重中央医療センター (前国立病院機構東名古屋病院) 薬学博士 医療薬学専門薬剤師

2014年薬学部卒業後、東名古屋病院に入職、2023年10月より三重中央医療センター。東名古屋病院では脳神経内科・呼吸器内科・整形外科の混合病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟で勤務。医薬品に関する医療安全対策の研究を行い博士課程修了。

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